売れるキーワードは「思い出は常に美しい」

思い出に関係する商品は売れます。

おはようございます、店長養成講座の小宮秀一です。

私が今年の夏に好きになったモノがあります。

「お前の好みなどに興味はない」?

まあ、そう言わずお付き合いください。確かに、ほとんどは私の好みの話ですが、要は、売れる商品のアイデアの話なので。

よろしいですか?

では。

あなたが千葉県人でない限り、コレは知らないと思います。

なぜなら、千葉県と一部の地域だけでしか買えない飲み物だからです。

今年の夏、好きになった飲み物とは?

それがこちら!

MAXコーヒーペットボトルバージョン

ジャジャーン!!

ジョージアMAXコーヒーペットボトルバージョンです。練乳入りの、ものすごく甘いコーヒーです。

実は私、コーヒーはブラック派です。正直言うと、甘いコーヒーは苦手な方です。そんな私が唯一認める、甘いコーヒーがMAXコーヒーです。

練乳独特の甘ったるさが心地いい一品です。この甘さは砂糖では絶対に出せない甘さです。カフェラテの甘さとも、キャラメルマキアートの甘さとも違います。舌にまとわりつく、どちらかというと下品な甘さは、それらでは決して味わえないモノです。

なぜ、MAXコーヒーなのか?

なぜ、私が唯一認める、甘いコーヒーがMAXコーヒーなのでしょうか?

たぶん、子供の頃に憧れだった味というのもあるのでしょう。

私が子供の頃、練乳は高かった記憶があります。何しろ、自分の家で食した記憶がないからです。

練乳と言えばイチゴです。

お金持ちの親戚の家や、同じくお金持ちの友達の家に行った時、イチゴに練乳を掛けて食べた時のうまさは衝撃でした。この世にこんなにおいしいモノがあるのかと魂が震えました。

しかし、私の家では、牛乳に砂糖を入れて、エセ練乳のようにしてイチゴを食べていました。もちろん、味は本物の練乳にはとても及びません。

練乳を思いっきり食したい。そんな私の思いを満足させたのがMAXコーヒーです。

私が小学4年か5年の頃、MAXコーヒーが登場しました。練乳入りと聞いてスグに試しました。口の中に広がるコーヒーのほのかな苦みと、舌に残る甘ったるさのバランスは絶妙でした。舌に粘り着く甘さは確かに練乳の甘さでした。

10代の頃は、飲み物と言えば、MAXコーヒーばかり買っていました。

MAXコーヒーとの別離

そんなMAXコーヒーとの甘い思い出にも別れのときがやってきます。

18才の頃、東京の専門学校に通い始めた頃、MAXコーヒーが東京では売っていないことを知り、ショックを受けました。「東京って、遅れている」とマジで思いました。

東京では、江戸川区の一部だけで売っていると聞きました。さすが、世田谷都民から東京都扱いされていない2つの区の一つだけあります。ちなみにもう一つが板橋区です。

アキバの電気屋に就職した私は、それ以降、MAXコーヒーを飲む機会がなくなりました。週6日を過ごすアキバで売っていないのだから仕方ないです。

ただ、MAXコーヒー以外の甘い缶コーヒーは、すっきりし過ぎていて満足感が足りません。

そして忘れもしない、’84年1月21日。MAXコーヒーと私の別離の記念日です。

私は市ヶ谷の本部ビル1階の自動販売機で缶コーヒーを買いました。甘いコーヒーを買ったつもりが、出てきたのはブラックコーヒーでした。私が押し間違えたのか、ベンダーが入れ間違えたのかはわかりません。

私はもう一つ買うほど財布に余裕がありませんでした。仕方なく、ブラックコーヒーのプルトップを開けました。そして一口。

私は初めてブラックコーヒーを飲んだのですが、その瞬間、美味いと感じました。

私は甘い物が好きなわけではなかったのだと、初めて気づきました。たとえば、チョコレートは好きですが、ケーキは苦手です。つまり、甘さ以外のアクセントがないと、うまさを感じなかったのです。

それ以来、私は甘いコーヒーを飲むのを止めました。もちろん、MAXコーヒーも。

MAXコーヒーペットボトルバージョンに再会して

そんな私が何十年ぶりに再会したのが、MAXコーヒーペットボトルバージョンです。地元の24時間営業のスーパーで目にしました。

MAXコーヒーペットボトルバージョンは県内のスーパーやコンビニでも扱っているところが少ないようで、存在を知ったのはこの時が初でした。

最初は懐かしさから手にしたのですが、飲んでびっくり。口の中に広がるほろ苦さと舌に残る甘ったるさは、まさにMAXコーヒー以外の何者でもなかったのです。

以来、この夏、私がもっとも買った飲み物となりました。

思い出は常に美しい

売れる商品を探す時、ターゲットの子供の頃をリサーチするというのは有効な手段です。

子供の頃に親しんだのに、今は忘れてしまったモノ。あるいは、子供の頃に欲しかったのに当時は買えなかったモノ。

このような商品は売れる可能性が高いです。なぜなら、思い出は常に美しいからです。思い出は美しいので、あの頃に戻りたいと思うのです。

しかし、時間を巻き戻すことはできません。その代わりに、昔親しんだモノを、あるいは、欲しかったのに買えなかったモノを買うという行動に出るのです。

私がMAXコーヒーペットボトルバージョンを気に入った理由は、子供の頃に親しんだのに長い間忘れていたからです。

あなたの商品に、そんな切り口で売れる商品はありませんか?

ぜひ一度、探してみてください。

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