言葉の魔法

セールスに魔法の言葉はありませんが、言葉の魔法はあります。
どういうことか?
これを言えば必ず買ってもらえると言う言葉はないです。しかし、言葉の順番によって買ってもらえる可能性が上がる言葉はあると言うことです。
それがはっきりわかる事例を一つ紹介します。
おはようございます、店長養成講座の小宮秀一です。

あなたの店では、スタンプカードやポイントカードなどの会員カードを発行していますか?
発行していなかったらごめんなさい。今日の話には共感できないと思います。

会員カードなしでどうやって顧客を識別するんでしょうか? と、ちょっと毒を吐いてみました。

会員カードを発行しているなら会員を獲得するために知恵を絞っていることでしょう。
あなたは会員を獲得するために何をしていますか?

目次

会員獲得のために何をする?

よく使われている方法は「会員には安くします」というキャンペーンです。
割引価格で買えるというご褒美を与えて、会員になる動機付けを行うモノです。
そのときに使われるPOPはこんな感じ。

通常3,000円のところ、
会員カードをお持ちの方は2,700円

ね? この手のPOPはよく見かけるでしょ?
まあ、これでもそこそこ獲得できますが、実は、言葉の順番を変えるだけでもっと会員を増やすことができます。
それがこれ。

会員価格2,700円
会員カードがない方は3,000円

言ってる内容は同じです。しかし、私が試したり、クライアントさんに試してもらった範囲では、前のPOPより10~200%増えるというデータが出ています。増えた分に幅はありますが、減った店は一つもありません。

なぜ、言葉の順番を変えただけで……

なぜ、言葉の順番を変えただけで会員獲得数が増えるのでしょうか?
セールスには「人は得をするためよりは損をしないために動く」という鉄則があります。
たとえば、使い古されていて、お客様もからくりはわかっている限定。それが未だに効果がある理由は、買いたいから動くと言うよりは、買わなくて損をしたくないからです。
200円の駐車料金を払いたくないから千円余分に買う、という不合理な行動をするのもこのためです。
それを踏まえて2つのPOPを見てみましょう。
最初のPOPは、会員になれば安く価格で買えますよと言っています。しかし、お客様は面倒くさがりだと言うことを忘れてはいけません。人は、ちょっと得をする程度では、会員カードを申し込む面倒に勝てないのです。
しかし、2番目のPOPは、会員でない人は高い価格で買わされると見えるわけです。高く買わされる=損をするという反応が起こって、会員カードに申し込む面倒を克服できるのです。

「人は得をするためよりは損をしないために動く」

このセールスの鉄則をお忘れなく。
ここで取り上げたPOP、あなたもぜひ試してみてください。そして結果を私に教えてください。

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