「ミルクショップ酪(らく)」のPOP活用事例

JR秋葉原駅構内にミルクショップ酪(らく)というミルクスタンドがあります。総武線千葉方面のホーム中央にあり、牛乳を中心とした飲み物とパン、おにぎりを売っています。

ちなみに、今流行のカフェなどではなく、立ち飲み、立ち食いの店です。開業してから70年だそうですが、今も多い日で1日3,000本以上の牛乳を売っているそうです。

実は私も現役の頃、毎日帰り――千葉方面なので――に利用していました。若い頃はコーヒー牛乳とジャムパン、30歳を過ぎてからは牛乳とあんパンを注文していました。ちなみに、注文しなくても用意してくれるのも気に入った理由です。「いつもの」さえ、言う必要がないのですから。

この店ミルクショップ酪がITmediaビジネスOnlineで記事になっていました。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/30/news003.html

つまり、堂々と写真が使えると言うことです。なので今回、POPの活用事例として取り上げることにしました。

「ミルクショップ酪」のPOP活用事例

「ミルクショップ酪」のPOP活用事例

コレがミルクショップ酪の外観です。

この店、明らかにアキバの電気屋の影響を受けています。その根拠がPOPの使い方です。こんなにごちゃごちゃPOPを貼っている店、なかなか見かけないですよね。

しかも、大きさも不揃いだし、「誰がそこを見る?」って言うくらいの足下まで貼ってあるし。コレ、百貨店やGMS出身のコンサルタントが見たら、絶対に注意される案件です。

なぜかって?

それは私自身が何人ものコンサルタントに注意されたからです。そして「POPは統一しなければならない」とか言う非常識を押しつけられました。

「POPは統一しなければならない」は非常識

なぜ、「POPは統一しなければならない」が非常識なのかわかります?

POPは目立たせるために付けるモノだからです。もし、同じサイズ、同じ書式で書いてあったら目立たないではないですか?!

たとえば、この蒸しパンに付いているPOPを見てください。

値札とPOPは別物
蒸しパンに付いているPOPに注目

この店の場合、水色の縁取りが値札です。それに対して、蒸しパンに付いているPOPは、サイズもデザインもまったく違う物になっています。だから目立つわけです。

ちなみに、このPOPの背景やデザイン、見出しは素人っぽさ丸出しですが、「それがいい」と言えるでしょう。

値札とPOPは別物

このように、値札とPOPを別なモノとして考えるのも、アキバの電気屋の特長です。

私は値札とPOPの違いを次のように習いました。「この商品は売り物で価格はいくらです」と知らせるモノが値札。それに対し、「この商品を買いなさい」と売り込むモノがPOP。

そういう視点で見ると、上から短冊のように吊り下げられているのは値札と言えるでしょう。中にはPOPもありますが、さすがに全部がそうではありません。コレが全部POPだったら目立ちませんからね。

ただ、そうしたPOPはこの写真からではわかりにくいです。そこで、ココでは「酪」の情報提供POPについて説明します。

情報提供POP

情報提供POPとは、お客様の役に立つ情報を発信するためのPOPです。もっとも、すべてのPOPはお客様にとって役に立つ情報を発信するモノです。

他のPOPと情報提供POPの違いは2つあって、価格が入っていないことと、希少性を煽っていないことです。

イベントの結果

イベントの結果

このPOPはイベントの結果を掲示しています。

「ご当地牛乳総選挙」という企画の結果です。コレもアキバっぽい(?)企画と言えるかもしれません。あのグループの劇場がありますし。

それにしても票数がリアルですね。

イベントの告知

イベントの告知

こちらは今実施中のイベントを紹介しています。

あなたの店、自販機を設置していますか? それに対して販促を掛けたことはありますか?

自販機を設置している店はベンダー任せで販促をやらないところがほとんどです。ところが「酪」は違うようです。

なぜなら、この企画、景品の引き換えはミルクスタンドで行なうからです。もし、ベンダーがこんな企画を持ってきたら私なら即却下です。

新商品の告知

新商品の告知

こちらは同じ自販機に貼られた新商品のPOPです。

自販機の新商品に対しても、情報提供POPを使って新商品の良さを伝えようとしています。

売ることに真摯

この辺り、「酪」が、売ることに真摯に取り組んでいるのがわかります。

「こういうことをやれば売れる」とみんなわかっています。しかし、わかっているのとできるのとでは天と地ほども違うわけで。

ミルクショップ酪1日3,000本売れるのは、やって当たり前のことを高いレベルで実践しているからと言えるでしょう。

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