改装をする意味を考えて

さもないとカネを飛ぶに捨てるのと一緒です。
おはようございます、店長養成講座の小宮秀一です。
先週、出先でたまたま、某コンビニの新レイアウトの店を見ることが出来ました。
月刊コンビニ5月号に新レイアウトのことが載っていました。
それ以来、見てみたいと思っていたのですが、本当にたまたま見ることが出来ました。
従来のレイアウトとの最大の違いは、レジカウンターが売場の奥に移動したこと。
そしてゴンドラ什器の並びが横から縦に変更されていました。
ただし、今回の記事は新レイアウトをどうこう言いたいのではありません。
店長が安易にやりがちな改装について、一言言っておきたいのです。

目次

「改装したけど売上が上がりません」

次の会話は、私が店長養成講座を初めて以来、千回以上交わされたものです。
店長「改装したけど売上が上がりません」
小宮「改装の狙いは何ですか?」
店長「売上アップに決まっているじゃないですか!」
小宮「たとえば、客数と客単価、どっちを増やしたかったのですか?」
店長「客数です」
小宮「どうして客数を増やしたかったのですか?」
店長「お客様が来ないからに決まっているじゃないですか!」
小宮「では、来店客を増やしたかったのですね?」
店長「そうです」
小宮「では、どんなセールをやったんですか?」
店長「やってないです」
この店が売上アップ出来ない理由はおわかりですよね?
そうです、来店客を増やしたいのに、来店客を増やす仕掛けをしてないからです。
改装したことがわかるのは売場を見た人だけです。
コレでどうして来店客が増えると思うのでしょうか?
改装信者には「売場が良くなったら口コミが起こり、お客様が増える」と言う人がいます。
私はお客様がそんな口コミをするとはどうしても思えないです。
事実、売上は増えてないし。

改装する意味

あなたはなぜ改装をするのですか?
売上アップのためですよね?
しかし、売上アップと一口に言っても何を増やしたいのでしょうか?
なぜなら、何を増やしたいのかによって、改装の方法が異なるからです。
たとえば、客数を増やすにしても、来店客を増やしたいのか、買上率を増やしたいのか?
来店客を増やしたいなら改装はセールとセットでなければなりません。
改装は2回もセールが出来ます。
閉店セールとリニューアルオープンセールの2回です。
したがって、改装の目的が来店客を増やすことなら、お金を掛けるのは改装ではありません。セールの方です。
ただ、私としては、来店客を増やすために改装するのはお勧めしません。
来店客を増やしたいなら、改装よりセールを単独で行う方が安上がりだからです。
では、改装を売上アップに繋げるにはどうしたらいいのでしょうか?
改装を売上アップに繋げるには、売上構成比と在庫数量構成比と売場面積構成比の3つを同じにすることです。
この考えでレイアウトを見直せば改装で売上アップできます。

売上構成比がくせ者

この売上構成比というのがくせ者です。
たとえば、コンビニの場合、ファストフードの売上構成比は信用できると思いますか?
在庫はあっても、揚げてないとか、温めてないとかでケースになかったら? あるいはケースにはあっても、最低陳列量を割っていたら?
量販店の場合なら、売場にはないけどバックヤードには在庫があると言う状況はありませんか?
このような場合、売上がお客様のニーズを反映しているとは限らないわけです。
この辺りはPOSシステムではなかなかわからないことです。
だから、現場の人間の皮膚感覚が必要なのです。
某コンビニがレジカウンターを売場の奥に持って行った理由は、ファストフードやコンビニコーヒーの売上に可能性を感じたからでしょう。
そうでもないと、防犯上にリスクを冒してまでレジカウンターを売場の奥に移動しないはずです。
雑誌の売場を削って、PB商品の惣菜の売場を広げたのも同じ理由でしょう。
カリスマがいなくなって、あの会社も現場の声を聞く気になったのでしょうか?

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